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死海のリゾート地,エン・ボケック

死海はイスラエルの占領するヨルダン川西岸地区とヨルダンにまたがる塩湖である. 流入する河川はあるのだが,標高が海面下約400 mと世界一低い場所にあるため,流出する河川がない. このままだと無限に水が溜まっていくように思えるが,死海のある場所は年降水量が100 mmにも満たない砂漠地帯. 入ってきた水もすぐに蒸発してしまうのである.その結果,塩分濃度が約30%と非常に低くなっている.

死海沿岸にはエン・ゲディ(En Gedi)やエン・ボケック(Ein Bokek)といったリゾート地, さらにユダヤ戦争の要塞がのこる世界遺産,マサダ(Masada)などがあり,見どころが多い. 今回は無料で死海浴ができる,エン・ボケックのビーチへ向かう.なお,エン・ゲディの無料ビーチは閉鎖になったようなので注意が必要だ.

エルサレムのバス中央駅から,死海沿岸のリゾート地を目指す.4番乗り場からネヴェ・ゾハル(Neve Zohar)行きの486番のバスに乗って約2時間,37.50 NISだ. 沿岸のホテルを全て経由するので,少し時間はかかる. それを良いことに,直通で行けるぞとタクシーの運転手がしつこく勧誘してくるが, エン・ボケックで降りてきた観光客から聞いた話によると,バスより高い(40NIS)上にエアコンが効いておらず地獄のようだったそうだ.

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バスはエルサレムの街中を抜け,イスラエルの占領地であるヨルダン川西岸地区を走りつづける.辺りは草木ひとつ生えないような砂漠地帯だ. 車窓からは,パレスチナ自治区を取り囲む分離壁がみえる.テロ防止を名目にイスラエルにより一方的に建設された壁だ. 壁の中にはたくさんの家々が有り,パレスチナの旗がいたるところに掲げられている.中には日常の生活がある. だが,この壁の存在により,中の住民は自由に外との行き来ができなくなっている. パレスチナ問題を象徴するような光景だ.

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海抜800 mの高原にあるエルサレムから,一気に海面下400 mのヨルダン渓谷まで降りてきた. 周りに立ちはだかる荒々しい岩の壁と,雲ひとつない吸い込まれるような高い空が,砂漠に来たのだと実感させる. この先,バスはずっと死海沿岸を走りつづける.死海は想像以上に広く,対岸のヨルダン領の山々が霞んで見える.

エン・ゲディやマサダを通り過ぎると,何もない黄色い大地に突然高層ビルが見えはじる.エン・ボケックだ. バスを降りると,とてつもない日差しに目を覆った.10月中旬でこれだから真夏は想像に難くない. もわっとした塩気のある熱気に包まれながら,ビーチを目指す.

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死海の公衆ビーチへ着いた.砂漠のど真ん中にありながら,真水のシャワーも無料で浴びられるから驚きだ. かなりの数のリゾート客がいる.欧米系の人ばかりに感じる. 早速水着に着替え,死海の中へと足を踏み入れた.

水はかなり温かかった.温水プールよりも水温は高いかもしれない. どんどん沖へと向かう.すると突然立っているのがきつくなってくる. 必死に水をかいたが,身体はもう横になって浮いていた. 今まで感じたことのないような感覚に戸惑った.

普通,海水浴に行ったら沈まないように気をつけるだろう.足がつかないようなところでは,必死に泳ぐかもしれない. ところがここでは全く逆なのだ.どうがんばっても身体が浮いてしまうのだ. 体勢を変えるだけでも一苦労だ.特に仰向けの状態から立ちあがるのは,かなり体力をつかう. しかもここの水は塩分濃度が30%,底にはたっぷりと塩の大きな結晶が積もっていて,手もだんだんヌルヌルしてくる. この水が顔に少しでも付いたら大変なことになる.目に入ったり,唇についたりしただけで焼けるように痛くなる.しかも手で拭うことはできない. 身体に傷がある人は気をつけたほうがいいかもしれない.

よく,死海に浮かびながら新聞を広げる写真を目にするだろう.実際同じ構図の写真を撮っているカップルもいた. しかし,優雅に浮かんでいるだけでよいかと思えば決してそうではない. 顔を絶対につけられないので,普段の海水浴より体力を使うかもしれない. 身体から水分がどんどん抜けていくので,ビーチに上がったらヘトヘトだ.

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Halma Kugoh

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